2017年12月29日金曜日

透過型分析電子顕微鏡:JEM-ARM200F (JEOL)


金属クラスターの原子ひとつひとつを低加速電圧(40, 60, 80 kV)でも識別可能な、球面収差補正を備えた高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)です。エネルギー分散型X線分光(EDS)を高感度で行うための大口径SDDを2基備えており、1nmの金属クラスターに含まれる元素を同定する能力があります。
物質・デバイス領域共同研究拠点(施設・設備利用)対応

NMR:AvanceIII 400 (Bruker)


オートサンプルチェンジャー装備で、通常の1H測定のほか、時間のかかる多核やNOESY、DOSYなどの2次元測定を夜間に自動で行うこともできます。通常の4mmチューブ以外に、微量測定が可能な1.7mmチューブ用のプローブもあります。

ESI-TOF-MS:MicrOTOF II (Bruker)


有機化合物のHRMS(高分解)測定による組成決定や、金属クラスターの構造決定、金属錯体の同定など様々な用途に使用するESI質量分析装置です。ダイレクトプローブでTLCから直接APCI-MSスペクトルを測定したり、クライオスプレーによる不安定化合物の測定もできます。

2017年12月27日水曜日

猪股君の公聴会

D3猪股君の博士論文公聴会が行われました。

2017年12月24日日曜日

X線光電子分光装置:ESCA-3400 (島津)


X線高電子分光(XPS)により、表面元素の定性/定量分析や電子状態(価数など)の推定をするための装置です。グローブボックスに直結されており、大気に暴露させることなく測定ができます。

触媒分析装置:BelCAT (日本ベル)


TPD分析による触媒活性評価や、パルス測定によるガス吸着量の定量など、触媒に関わる様々な実験ができます。

ガスクロマトグラフィー質量分析計:GCMS (島津)


触媒反応の生成物同定や定量をするためのGCMSです。液相合成の生成物をバッチ分析したり、反応炉からダイレクトにインジェクトすることもできます。

グローブボックス:美和製作所・米VAC社


酸素と水分量が1ppm以下の雰囲気を作り、その中で溶液調製や素子作成などの作業を行います。最近では紫外可視分光光度計や自動分注装置も組み込まれ、低温測定や大気下で不安定な化合物でも簡単に滴定実験が行えるようになりました。

周波数変調型原子間力顕微鏡:FM-AFM (SHIMADZU)


大気中や溶液中でも原子分解能が得られる最先端の高感度・高分解能AFMです。また、雰囲気制御チャンバーと加熱冷却ステージを備えており、温度や湿度のコントロール、ガス置換を自在に行えます。

アークプラズマ蒸着装置:APD (アドバンス理工)


アルゴン雰囲気のグローブボックス背面に連結されており表からは見えませんが、放電で生成する金属原子のビームをターゲット(基板や担体)に照射することで担持原子、クラスター、ナノ粒子、薄膜を作製することができます。

赤外線加熱炉・水素対応:CCVD-2T (アドバンス理工)


様々なガス雰囲気(アルゴン、水素、酸素…)や真空下での加熱焼成ができる赤外線加熱炉です。グローブボックスに直結されているので、処理後のサンプルを大気に暴露せずに取り出すことができます。

共焦点顕微レーザーラマン分光測定装置:LabRAM HR Evolution (HORIBA)


微小領域のラマン分光測定を行う装置です。特殊な増感素子を用いて微小なクラスターの分析に取り組んでいます。

紫外〜近赤外蛍光分光光度計:Fluorolog-NIR (HORIBA)


紫外〜可視〜近赤外領域を幅広くカバーする高感度な蛍光分光光度計です。

2017年12月12日火曜日

化学工業日報「超原子を液相法で合成」

Nature Communications誌に掲載されたAl13超原子の液相合成に関する記事が12月12日発行の化学工業日報(1面)に掲載されました。

東工大ニュース
Nature Communications
化学工業日報 (2017年12月12日 1面)

2017年12月11日月曜日

Al13−超原子の液相合成

T. Kambe, N. Haruta, T. Imaoka, K. Yamamoto
Nature Commun. 2017, 8, 2046.

超原子、すなわちそれらが構成される元素とは異なる特性を模倣するクラスターは、調整可能な特性を持つ前例のない材料の構築ブロックとして機能する可能性がある。超原子の溶液相合成法の開発は、この研究分野の将来の進展に不可欠な成果となるであろう。ここでは、デンドリマーテンプレートを用いて溶液中でアルミニウムクラスター(最もよく知られたスーパ―アトムであるAl13−)を生成する方法を報告する。Al13−クラスターは、質量分析および走査透過型電子顕微鏡を使用して同定され、X線光電子分光法により結合エネルギーが測定される。Al13−の超原子安定性は、その酸化傾向を評価することで示される。さらに、溶液中でのAl13−の合成は電気化学測定を可能にし、その結果はAl13−の酸化を示唆している。この溶液相合成法は、クラスター科学の実験的発展において重要な役割を果たす。

Solution-phase synthesis of Al13− using a dendrimer template

Superatoms, clusters that mimic the properties of elements different to those of which they are composed, have the potential to serve as building blocks for unprecedented materials with tunable properties. The development of a method for the solution-phase synthesis of superatoms would be an indispensable achievement for the future progress of this research field. Here we report the fabrication of aluminum clusters in solution using a dendrimer template, producing Al13, which is the most well-known superatom. The Al13 cluster is identified using mass spectrometry and scanning transmission electron microscopy, and X-ray photoelectron spectroscopy is used to measure the binding energies. The superatomic stability of Al13 is demonstrated by evaluating its tendency toward oxidation. In addition, the synthesis of Al13 in solution enables electrochemical measurements, the results of which suggest oxidation of Al13. This solution-phase synthesis of Al13 superatoms has a significant role for the experimental development of cluster science.

2017年11月17日金曜日

CSJ化学フェスタ 優秀ポスター発表賞

第7回CSJ化学フェスタにおいてD3の加藤君とM2の郡君が優秀ポスター発表賞を受賞しました。おめでとうございます!

2017年10月31日火曜日

分子科学討論会優秀講演賞を受賞

第11回分子科学討論会においてD1の赤沼さんが分子科学会優秀講演賞を受賞しました。おめでとうございます!

2017年10月21日土曜日

有機系研究室合同BBQ

当研究室が幹事して、毎年恒例の化生研の有機系研究室合同BBQを開催しました。
オリジナル料理の開発のため3回の練習を密かに行ってきました。

2017年9月29日金曜日

硫黄ナノクラスターの精密質量分析法

S. Matsuno, M. Yamashina, Y. Sei, M. Akita, A. Kuzume, K. Yamamoto, M. Yoshizawa
Nature Commun. 2017, 8, 749.

無機クラスターの構造決定は、そのほとんどの場合、核磁気共鳴、紫外/可視、および赤外線分析に対する応答性が低いため、質量分析に大きく依存している。それにもかかわらず、豊富な同素体形態を持つ独自のクラスターであるオリゴ硫黄(Sn)の質量分析は、通常、そのフラグメントピークを表示する。ここでは、中性硫黄クラスターの質量測定のために超分子マトリックスとして機能するポリアロマティックカプセルについて報告する。カプセル化されると、環状S6およびS8クラスターを含むホスト–ゲスト複合体に由来する分子イオンピークが、一般的なエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析法によって専ら検出される。さらに、光照射によりマトリックス内の2つのS6クラスターからその場で生成される環状S12クラスターの質量分析も同様の方法で達成される。本マトリックスは、質量分析条件下だけでなく常温溶液状態でも、従来は不安定であったS6およびS12クラスターをポリアロマティックシェル内で著しく安定化させることができる。

Exact mass analysis of sulfur clusters upon encapsulation by a polyaromatic capsular matrix

Structural determination of inorganic clusters relies heavily on mass spectrometry because of, in most cases, their poor responsivities toward nuclear magnetic resonance, ultraviolet/visible, and infrared analyses. Nevertheless, mass spectrometry analysis of oligosulfurs (Sn), which are unique clusters with copious allotropic forms, usually displays their fragment peaks. Here we report that a polyaromatic capsule acts as a supramolecular matrix for the mass determination of the neutral sulfur clusters. Upon encapsulation, molecular ion peaks derived from the host–guest complexes including cyclic S6 and S8 clusters are exclusively detected by common electrospray ionization time-of-flight mass spectrometry analysis. Furthermore, mass spectrometry analysis of a cyclic S12 cluster, which is in situ prepared from two S6 clusters within the matrix upon light irradiation, is achieved by the same way. The present matrix can remarkably stabilize the otherwise labile S6 and S12 clusters in the polyaromatic shell not only under mass spectrometry conditions but also in an ambient solution state.

2017年9月27日水曜日

化学工業日報「白金クラスター触媒…」

Nature Communications誌に掲載された原子数明確な担持白金クラスターの化学合成の成果に関する記事が9月27日発行の化学工業日報(4面)に掲載されました。
東工大ニュース
Nature Communications
化学工業日報 (2017年9月27日 4面)

2017年9月25日月曜日

原子数明確な白金クラスター担持触媒の大量合成

T. Imaoka, Y. Akanuma, N. Haruta, S. Tsuchiya, K. Ishihara, T. Okayasu, W.-J. Chun, M. Takahashi, K. Yamamoto
Nature Commun. 2017, 8, 688.

サブナノメートルの貴金属クラスターは、特に触媒用途において非常に大きな可能性を秘めている。わずか1つの原子の違いがその反応性に大きな変化を引き起こすため、原子レベルの精度での調製方法が不可欠である。このような精度がガス相合成によって達成されているが、大規模な調製は依然として最前線にあり、実用的な応用を妨げている。我々は、ティアラ状の白金複合体(リング数 n=5–13)からミリグラムスケールでの白金クラスターの原子精度かつ完全にスケーラブルな合成を示す。水素流中での炭素支持体上の複合体の低温焼成により、前駆体複合体と同じ原子性を持つ単分散の白金クラスターが得られる。これらのクラスターのうち、Pt10クラスターは他のクラスターに比べてスチレンの水素化において高い触媒活性を示す。この方法は、これらのクラスターを調製スケールの触媒作用に応用するための道を開く。

Platinum clusters with precise numbers of atoms for preparative-scale catalysis

Subnanometer noble metal clusters have enormous potential, mainly for catalytic applications. Because a difference of only one atom may cause significant changes in their reactivity, a preparation method with atomic-level precision is essential. Although such a precision with enough scalability has been achieved by gas-phase synthesis, large-scale preparation is still at the frontier, hampering practical applications. We now show the atom-precise and fully scalable synthesis of platinum clusters on a milligram scale from tiara-like platinum complexes with various ring numbers (n = 5–13). Low-temperature calcination of the complexes on a carbon support under hydrogen stream affords monodispersed platinum clusters, whose atomicity is equivalent to that of the precursor complex. One of the clusters (Pt10) exhibits high catalytic activity in the hydrogenation of styrene compared to that of the other clusters. This method opens an avenue for the application of these clusters to preparative-scale catalysis.

2017年9月4日月曜日

研究室合宿(長瀞)

長瀞 (埼玉県) へ研究室合宿に行きました。

2017年8月30日水曜日

Tomalia先生が来訪講演

デンドリマーのパイオニアとして世界的に著名なD. A. Tomalia先生を研究室にお招きし、講演会を開催しました。その後ラボセミナーを行い、最新の研究成果などについてディスカッションを行いました。

2017年7月28日金曜日

化学工業日報「粒径1ナノの合金…」

AAASのScience Advances誌に掲載されたPtAuCu三元系微小ナノ粒子の成果に関する記事が7月27日発行の化学工業日報(1面)に掲載されました。

化学工業日報 (2017年7月27日 1面)

2017年7月26日水曜日

溶媒を使用しない炭化水素の好気的酸化のための精密に制御された多金属ナノクラスター触媒

M. Takahashi, H. Koizumi, W. Chun, M. Kori, T. Imaoka, K. Yamamoto
Sci. Adv. 2017, 3, e1700101.


合金ナノ粒子の触媒活性は、粒子サイズと異なる金属の組成比に依存する。Pd、Pt、およびAuからなる合金ナノ粒子は、酸化反応の触媒として広く使用されている。酸化反応におけるPtおよびAuナノ粒子の触媒活性は、粒子サイズが小さくなるほど増加し、合金ナノ粒子の金属間界面で増加することが知られている。したがって、直径約1 nmの多金属ナノクラスター(MNCs)は酸化反応の触媒としての可能性を持つ。しかし、均一な合金ナノクラスターの調製に関する報告はほとんどない。我々は、塩基性の勾配を持つ配位サイトを備えた高分子テンプレートを使用して、精密に制御されたMNCs(約1 nm)を合成する方法を報告する。グラファイト化されたメソポーラス炭素に支持されたCu-Pt-Au MNCsは、炭化水素の好気的酸化において市販のPt触媒の24倍の触媒活性を示すことを明らかにした。さらに、炭化水素をケトンに変換する溶媒を使用しない好気的酸化反応を、少量のラジカル開始剤を用いて常温で行うことに成功し、これは初めての固体触媒による反応である。

Finely controlled multimetallic nanocluster catalysts for solvent-free aerobic oxidation of hydrocarbons

The catalytic activity of alloy nanoparticles depends on the particle size and composition ratio of different metals. Alloy nanoparticles composed of Pd, Pt, and Au are widely used as catalysts for oxidation reactions. The catalytic activities of Pt and Au nanoparticles in oxidation reactions are known to increase as the particle size decreases and to increase on the metal-metal interface of alloy nanoparticles. Therefore, multimetallic nanoclusters (MNCs) around 1 nm in diameter have potential as catalysts for oxidation reactions. However, there have been few reports describing the preparation of uniform alloy nanoclusters. We report the synthesis of finely controlled MNCs (around 1 nm) using a macromolecular template with coordination sites arranged in a gradient of basicity. We reveal that Cu-Pt-Au MNCs supported on graphitized mesoporous carbon show catalytic activity that is 24 times greater than that of a commercially available Pt catalyst for aerobic oxidation of hydrocarbons. In addition, solvent-free aerobic oxidation of hydrocarbons to ketones at room temperature, using small amounts of a radical initiator, was achieved as a heterogeneous catalytic reaction for the first time.

2017年5月31日水曜日

高分子学会年次大会 優秀ポスター賞受賞

第66回高分子学会年次大会においてD3の加藤君が優秀ポスター賞を受賞しました。おめでとうございます!

2017年5月13日土曜日

高被引用文献に認定


2015年に発表した熱活性化遅延蛍光を示すデンドリマーの開発と塗布型有機EL材料としての展開に関する論文がClarivate Analytics社の提供するWeb of Science(文献データベース)において同年に発表された論文の中で引用件数が上位1%に入る高被引用文献(Highly Cited Papers)として同定されました。本研究は九州大学 先導物質化学研究所の藤田克彦准教授、松岡健一助教との共同研究になります。

2017年4月3日月曜日

新メンバーが加わりました



研究室に新入生およびERATOメンバーが新たに加わり2017年度がスタートしました。

2017年4月1日土曜日

MALDI-TOF-MS:AXIMA-CFR-plus (SHIMADZU/Kratos)


高分子やタンパク分子の分子量を計測するMALDI-TOF-Massスペクトル装置です。デンドリマーの構造確認には欠かせません。使用頻度が極めて高い装置の一つです。

2017年3月23日木曜日

入学希望の方へ

修士課程で山元・今岡研究室所属希望の方は「物質理工学院・応用化学系・応用化学コース」を選択してください。物質理工学院の説明会がすずかけ台、大岡山両方で開催されます。詳しくはこちらのページをご参照ください。
すずかけ台開催日:
2017年3月29日(水)、4月15日(土)、5月12日(金)、5月13日(土)、6月10日(土)
説明会後には研究室見学のツアーも開催されます。
注意 :物質理工学院の英語試験は、外部テスト (TOEIC, TOEFL-iBT, TOEFL-PBT) を採用しています。出願までにスコアシート提出が必要になります。早い時期に英語外部テストを受験してください。

19周年同窓会

山元教授が研究室を持たれてから19周年の同窓会を3月18日に開催しました。ご参加いただいた方はありがとうございました!今年も楽しい会になりました。

2017年3月9日木曜日

日本化学会春季年会「若い世代の特別講演会」

アルブレヒト助教が日本化学会第97春季年会にて「若い世代の特別講演会」講演者に選ばれました。3月18日に「Development of Potential Programmed Functional Polymers」と題して講演を行いました。



2017年2月15日水曜日

優秀修士論文賞を受賞

化学環境学専攻の修士論文発表会にて、渡邉さん(M2)が優秀修士論文賞を受賞しました。おめでとうございます!