2018年12月11日火曜日

鈴木賢治先生講演会

本学未来産業技術研究所の鈴木賢治先生に「機械・深層学習によるAI支援画像診断の最前線」と題し、特に、いち早く取り組まれた深層学習による画像解析と、実際に医療の画像診断に応用された例などご講演を戴きました。今後重要となる化学分野における機械学習、深層学習の活用についても意見交換させていただきました。

2018年12月10日月曜日

MRS Bulletin "Dendrimer templates..."

Nature Communications誌に掲載された「多元合金ナノ粒子の新たな合成手法を開発」に関する記事がMRS Bulletinで紹介されました。


MRS Bulletin (2018年12月10日)

2018年11月21日水曜日

Rubén D. Costa先生講演会

IMDEA Materials Institute (Spain)のRubén D. Costa先生に「Hybrid photovoltaic and lighting devices」と題したご講演を戴きました。無機物、有機物や生体物質まで活用したハイブリッドデバイスの最先端を紹介いただいた後、研究室メンバーによるセミナーにてディスカッションしていただきました。

日経産業新聞「炭化水素を効率酸化」

Angewandte Chemie International Edition誌に掲載された「高活性酸化触媒」に関する記事が11月21日発行の日経産業新聞(7面)に掲載されました。

東工大ニュース
Angewandte Chemie International Edition
日経産業新聞 (2018年11月21日 7面)

2018年11月14日水曜日

サブナノ金属粒子による好気的トルエン酸化触媒反応

M. Huda, K. Minamisawa, T. Tsukamoto, M. Tanabe, K. Yamamoto
Angew. Chem. Int. Ed. 2019, 58, 1002-1006.

さまざまな貴金属(Cu、Ru、Rh、Pd、またはPt)を含む直径約1 nmのサブナノ触媒(SNCs)は、デンドリックポリ(フェニルアゾメチン)をマクロ分子テンプレートとして使用して合成された。これらの材料は、有害な溶媒や爆発性酸化剤を使用せずにトルエンの酸化中に高い触媒性能を示し、主生成物として安息香酸を含む有価な有機生成物を生成する。特に、粒子サイズ分布が狭いPt19 SNCは、商業用Pt/C触媒の1700倍の3238 atom−1 h−1の高いターンオーバー周波数を持ち、非常に優れた触媒活性を示す。

Aerobic Toluene Oxidation Catalyzed by Subnano Metal Particles

Subnanocatalysts (SNCs) containing various noble metals (Cu, Ru, Rh, Pd, or Pt) with sizes of approximately 1 nm were synthesized using dendritic poly(phenylazomethine)s as a macromolecular template. These materials exhibit high catalytic performance during toluene oxidation without the use of harmful solvents or explosive oxidants, resulting in the formation of valuable organic products, including benzoic acid as the major product. In particular, Pt19 SNC with a narrow particle size distribution exhibits extraordinary catalytic activity, with a turnover frequency of 3238 atom−1 h−1, which is 1700 times greater than that obtained by commercial Pt/C catalysts.


CSJ化学フェスタ優秀ポスター発表賞受賞

第8回CSJ化学フェスタにおいてM2の大西君が優秀ポスター発表賞を受賞しました。おめでとうございます!

2018年10月30日火曜日

多金属クラスター合成のための原子ハイブリッド化

T. Tsukamoto, T. Kambe, A. Nakao, T. Imaoka, K. Yamamoto
Nature Commun. 2018, 9, 3873.

多元合金ナノ粒子の新たな合成手法を開発 

サブナノメートルスケールの金属クラスターの化学は、特に多金属クラスターにおいて、サイズと組成を制御して合成することが難しいため、まだ十分に理解されていない。多金属サブナノクラスターのテンプレート合成は、マクロ分子テンプレートとしてフェニルアゾメチンデンドリマーを使用することによって達成される。その分子内ポテンシャル勾配により、最大8元素を含む金属前駆体複合体をテンプレート上に正確に取り込むことが可能である。この方法の有用性は、5元素(Ga1In1Au3Bi2Sn6)から成る多金属サブナノクラスターを合成することで実証されている。このクラスターのサイズと組成は正確に制御され、関与する金属は互いに合金化される。このアプローチは、異なる金属をさまざまな組み合わせで簡単にブレンドし、サブナノメートルスケールの新しい材料を作成する能力を提供し、化学の分野における新しい領域の発展につながるであろう。

Atom-hybridization for Synthesis of Polymetallic Clusters

The chemistry of metal clusters on the sub-nanometer scale is not yet well understood because metal clusters, especially multimetallic clusters, are difficult to synthesize with control over size and composition. The template synthesis of multimetallic sub-nanoclusters is achieved using a phenylazomethine dendrimer as a macromolecular template. Its intramolecular potential gradient allows the precise uptake of metal precursor complexes containing up to eight elements on the template. The usefulness of this method is demonstrated by synthesizing multimetallic sub-nanoclusters composed of five elements (Ga1In1Au3Bi2Sn6). The size and composition of this cluster can be precisely controlled and the metals involved are alloyed with each other. This approach provides the ability to easily blend different metals in various combinations to create new materials on the sub-nanometer scale, which will lead to the development of a new area in the field of chemistry.


日刊産業新聞「多元合金ナノ粒子…」

Nature Communications誌に掲載された「多元合金ナノ粒子の新たな合成手法を開発」に関する記事が9月26日発行の日刊産業新聞(12面)に掲載されました。



日刊産業新聞 (2018年9月26日 12面)


2018年10月16日火曜日

研究室後輩の皆様へ(竹永)

私は現在、電機メーカーで材料に関する研究開発を行っています。その中で幸運に恵まれ、社内の留学制度を利用して、英国Imperial College London修士課程に技術留学する機会を頂きました。社内のことは機密の関係で書きにくいため、山元研究室在籍時を振り返りながら、留学中に感じたことを書かせて頂きたいと思います。少しでも現在の学生の皆様の参考になる部分があれば、幸いです。 
留学先研究所の方々と 

山元研究室へ

「材料」「電気化学」に惹かれて大学で化学の道に進んだ私は、学部3年の研究室選択時に、新しい材料(デンドリマー)を使って白金触媒の研究をされていた山元研究室に興味を持ちました。先生のお部屋で話を伺った際に、「新しい材料が新しい時代を拓く」と熱く語って頂き、山元研究室への配属を希望し、無事に配属されました。現在もメーカーで材料開発を行う私にとって、この「新しい材料が新しい時代を拓く」という言葉は、仕事をする上でのモチベーションの源泉になっています。

山元研究室で学んだこと

研究室在籍の3年間で、材料研究の楽しさ・奥深さのみならず、本当に沢山のことを勉強させてもらいました。特に、今でも感謝しているのは、多くのプレゼンテーションの機会を頂いたことです。毎月の研究室内での進捗報告や、多くの学会発表の機会を頂いた中で、「どういう発表をすれば聞き手の方に分かってもらえるか」を常に考えさせられました。この経験は、社内や留学先で、(特に自分と大きく異なるバックグラウンドを持つ人たちに)自分の仕事を伝える際、非常に役立っています。

研究のみならず、ソフトボール投手も頑張った山元研究室在籍時

英国留学へ

学生時代に材料開発の面白さを知った私は、卒業後にメーカーで材料開発職に就きました。その上で、世界最先端の材料技術を学んでみたいとの想いから、社内の留学制度を利用した英国大学院留学を目指しました。出願に当たって「過去の業績一覧」を書く必要が有りましたが、山元研究室在籍中の業績(論文・特許・学会発表・学会での受賞)のお陰で、大きなアピールが出来たと思います。会社に入ってからの仕事は多くの場合、詳細を外部に公表することが難しいため、学生時代に外部に研究成果を発表する多くの機会を下さった山元先生に、深く感謝した次第です。

留学中に感じたこと

一番感じたことは、英語が不完全であっても、サイエンスの道具(数式や化学式等)を駆使することで、研究においては多くの場合、十分な意思疎通を図れたということです。所属した研究室では、原則毎週指導教官と個別ミーティングが有り、ネイティブスピーカーの先生と1時間以上、英語でディスカッションを行うのは非常にハードでした。しかし、結果を丁寧にまとめた資料を毎回作ってデータやサイエンスの基本に基づいて話をすることで、毎週有意義な技術ディスカッションが出来ました。また、最後の修論発表会では、英語力で他の学生に劣る中でも、最優秀プレゼン賞を受賞することも出来ました。サイエンスやサイエンスの伝え方に関する知識・経験があれば、(様々な苦労はあるものの)異なる言語・文化の中でも何とかやっていける、という手応えを掴めました。

最後に

私の卒業以降、山元研究室の施設は益々充実し、その中で研究が出来る現在の学生の皆さんを羨ましく思います。恵まれた環境の中で、皆さんが新たな発見・発明をされるのを楽しみにしつつ、私自身も山元研究室や留学先で学んだことを活かして、産業界から材料分野の発展に寄与できるよう頑張ります。

2018年9月26日水曜日

幾何学的対称性の限界を超える超縮退電子状態のためのナノ材料設計

N. Haruta, T. Tsukamoto, A. Kuzume, T. Kambe, K. Yamamoto
Nature Commun. 2018, 9, 3758.
球状原子は最も高い幾何学的対称性を持つ。この対称性により、原子軌道は高度に縮退し、閉殻安定性と磁性をもたらす。幾何学的制約により、これ以上の縮退度を持つ物質は知られていない。ここで、特定の四面体構造を持つ現実的なマグネシウム、亜鉛、およびカドミウムクラスターが球状対称性よりも異常に高い縮退度を持つことを提案する。密度汎関数理論計算と単純なタイトバインディングモデルを組み合わせることで、これらの縮退は動的対称性に起因することを示す。この縮退条件は、原子間パラメータに関する優雅な数学的シーケンスとして完全に特定される。動的対称性の導入は、超縮退軌道を持つ新しいカテゴリの物質の発見につながるであろう。

Nanomaterials design for super-degenerate electronic state beyond the limit of geometrical symmetry

Spherical atoms have the highest geometrical symmetry. Due to this symmetry, atomic orbitals are highly degenerate, leading to closed-shell stability and magnetism. No substances with greater degrees of degeneracy are known, due to geometrical limitations. We now propose that realistic magnesium, zinc, and cadmium clusters having a specific tetrahedral framework possess anomalous higher-fold degeneracies than spherical symmetry. Combining density functional theory calculations with simple tight-binding models, we demonstrate that these degeneracies can be attributed to dynamical symmetry. The degeneracy condition is fully identified as an elegant mathematical sequence involving interatomic parameters. The introduction of dynamical symmetry will lead to the discovery of a novel category of substances with super-degenerate orbitals.

化学工業日報「新規ナノ物質を発見」

Nature Communications誌に掲載された「原子の対称性を超えるナノ物質の理論的発見」に関する記事が9月19日発行の化学工業日報(7面)に掲載されました。

東工大ニュース
JSTプレスリリース
Nature Communications
化学工業日報 (2018年9月19日 7面)

2018年9月22日土曜日

錯体化学若手の会夏の学校2018

錯体化学若手の会夏の学校2018で赤沼さん(D1)と大西君(M2)が優秀ポスター賞を受賞しました。おめでとうございます!

2018年8月31日金曜日

研究室合宿(那須)

今年度の研究室合宿は那須に行きました。


2018年8月10日金曜日

2018年前期の打ち上げ

夏季休暇前の本日、研究室、プロジェクトメンバーを交えて打ち上げパーティーを行い、夜は恒例の焼き肉で暑気払いをしました。

2018年8月1日水曜日

ICCC2018にてセッションを開催

仙台にて開催された配位化学の国際会議(ICCC2018)にて山元教授がセッションオーガナイザーとしてS26 Metallo-Supermolecules & Metal Containing Polymersを主催しました。


8月1日 セッションディナーにて

卒業生が紹介されています

当研究室の卒業生で、現在Imperial College of Londonに留学している竹永君の活躍が紹介されています。

紹介記事
⇒竹永君より近況報告をいただきました

2018年7月30日月曜日

ミニシンポジウムを開催

海外から3名の著名な先生をお呼びして、ハイブリッドマテリアル研究ユニット主催のシンポジウムを開催いたしました。


prof. Didier ASTRUC (University of Bordeaux)

prof. Alaa Abd-El-Aziz (University of Prince Edward Island)

prof. Wai Yeung Wong (The Hong Kong Polytechnic University)

2018年6月30日土曜日

2018化生研応化系合同BBQ

化生研の応化系研究室合同BBQに参加しました。今年度は福島・庄子研にホストしていただきました。ありがとうございました。

2018年6月20日水曜日

高分子学会優秀ポスター賞を受賞(2件)

D1の赤沼さんとM2の皆川君が高分子学会の優秀ポスター賞を受賞しました。おめでとうございます!
第 67 回高分子学会年次大会 優秀ポスター賞受賞者一覧

2018年6月12日火曜日

中井先生(早稲田大学)講演会

早稲田大学理工学術院の中井浩巳先生に「大規模化学反応シミュレーション手法の実現に向けて~分割統治型密度汎関数強束縛分子動力学(DC-DFTB-MD)法の開発と応用~」と題したご講演を戴きました。現実に近いモデルを使って高精度に物質の性質や反応をシミュレーションする計算化学の最先端を紹介いただいた後、研究室メンバーによるセミナーにてディスカッションしていただきました。

2018年6月1日金曜日

三澤先生(北大電子研)講演会

北海道大学電子科学研究所の三澤弘明先生に「プラズモン強結合状態の解明とその応用」と題したご講演を戴きました。プラズモン強結合状態がかかわる光化学の最前線をわかりやすく解説していただくとともに、研究室メンバーによるセミナーにてディスカッションしていただきました。(写真は講演会後の懇親会にて)

2018年4月13日金曜日

日本化学会 学生講演賞を受賞

日本化学会 第98春季年会にてD1の赤沼さんが学生講演賞を受賞しました。おめでとうございます!
日本化学会 第98春季年会WEBページ

日本化学会 学生講演賞を受賞

日本化学会 第98春季年会にて猪股君(現:首都大特任助教)が学生講演賞を受賞しました。おめでとうございます!
日本化学会 第98春季年会WEBページ

2018年4月4日水曜日

花見&BBQ

毎年恒例の(花の無い)花見BBQを行いました。20年の歴史で稀に見る晴天に恵まれました。

2018年4月2日月曜日

2018年度新メンバーが加わりました


新入生11名(M1:9名, B4:2名)が新たに加わり2018年度がスタートしました。

2018年3月31日土曜日

山元研究室20周年記念同窓会


山元研究室の発足20年を記念し、慶應義塾大学と東京工業大学の卒業生が一同に会する同窓会を開催しました。長きに渡るご支援ありがとうございました。30年に向け、さらなる歩みを進めて参ります。

講演会(卒業生・元スタッフの近況報告)


懇親会の様子

2018年3月30日金曜日

Top 100 chemistry articles in 2017に認定

2017年に発表した熱活性化遅延蛍光を示すデンドリマーの有機層全塗布型有機EL材料としての展開に関する論文同年にScientific Reports誌に発表された化学分野の論文の中でアクセス数が100位に入るTop 100 in Chemistryとして同定されました。本研究は九州大学の藤田克彦准教授、松岡健一助教との共同研究になります。また、本論文はオープンアクセスとなっております。

2018年3月6日火曜日

化学工業日報「光るデンドリマー作成」

デンドリマーの多孔性結晶形成と溶媒蒸気センシングの論文に関する記事が3月5日発行の化学工業日報6面に掲載されました。本成果は筑波大学の山本洋平教授、京都大学の植村卓史准教授、ハイデルベルク大学のUwe Bunz教授との共同研究になります。
東工大ニュース
化学工業日報 (2018年3月5日 6面)

2018年2月27日火曜日

Most downloaded articles of 2017に認定

2017年に発表した熱活性化遅延蛍光を示すデンドリマーの開発と有機層全塗布型有機EL材料としての展開に関する論文同年にChemical Communications誌に発表されたEnergy Chemistry分野の論文の中でダウンロード数が上位に入るMost downloaded articles of 2017: Energy Chemistryとして同定されました。本研究は九州大学の藤田克彦准教授、松岡健一助教、北海道大学の中山哲准教授、山形大学の横山大輔准教授との共同研究になります。

2018年2月9日金曜日

修論発表が終わって

修論発表が終わったので慰労会を行いました。


重荷が降りてHappyな皆さん


まだ修了したわけではなので注意