今岡享稔准教授が日本化学会第41回学術賞を受賞しました。
受賞題目:電子顕微鏡を用いた原子クラスターの直接観察による動的構造の解明
※写真は2024年3月の日本化学会春季年会で行われた表彰式にて10月7日に大岡山グラウンドで開催されたR5学長杯ソフトボール大会に研究室(山元アトムハイブリッヅ)として参加しました。
1回戦でTeamかずや(益学長のチーム)に敗れたものの、エキシビションマッチや懇親会を通して、研究室の垣根を超えて交流を深めることができました!
A. Atqa, M. Yoshida, M. Wakizaka, W. Chun, A. Oda, T. Imaoka, K. Yamamoto
Chem. Commun. 2023, 59, 11947-11950.
部分的に酸化された二金属Mo–Ptサブナノ粒子(Mo4Pt8Ox)を紹介する。これは、室温および常圧で熱駆動によるCO2の水素化をCOへと実現する。機構的な研究により、CO2活性化から触媒再活性化までの反応の完全な触媒サイクルが説明された。DFT計算は、Moとの合金化がCO吸着を弱めることで活性化障壁を低くすることを明らかにした。この発見は、低エネルギーでのCO2変換の第一歩となる可能性がある。
We present a partially-oxidised bimetallic Mo–Pt subnanoparticle (Mo4Pt8Ox) enabling thermally-driven CO2 hydrogenation to CO at room temperature and atmospheric pressure. A mechanistic study explained the full catalytic cycle of the reaction from CO2 activation to catalyst reactivation. DFT calculations revealed that alloying with Mo lowers the activation barrier by weakening the CO adsorption. This finding could be a first step for low-energy CO2 conversion.
触媒とは、化学反応において自身は変化しないが、反応速度を変化させる物質とされます。しかし、この「自身は変化しない」という定義は、近年生み出されている新しい触媒材料には当てはまらなくなってきています。学術変革領域(B)「反応駆動学」は、こうした既存概念を刷新し、カーボンニュートラルの実現など社会的要請に応える新しい学問の確立を目指して、2022年度に発足しました。現在求められているのは、活性点やその周辺のダイナミクスを原子/分子レベルで明確にし、これを理解した上での材料設計への還元です。本領域の研究者に加え、物質や反応のダイナミクス、複雑な現象の理解に貢献するデータサイエンスの分野で活躍している研究者も招待して、シンポジウムを開催いたします。
日時: 2023年6月19日(月) 13時~18時
会場: 東京工業大学 大岡山キャンパス 蔵前会館 ロイアルブル-ホ-ル
http://www.somuka.titech.ac.jp/ttf/access/index.html
入場料:無料
当研究室の研究紹介ビデオがYouTubeのTokyoTech IIRチャンネルで公開されています。ぜひご覧ください。